タイセツナクラスメイト

ぞる

エピソード1(脚本)

タイセツナクラスメイト

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〇教室
ナオ「おはよう」
ユウハ「おはよー!」
アイ「おはよう、今日は来るの遅かったね?」
ナオ「うん、ちょっと頭痛くて・・・」
ユウハ「大丈夫?」
アイ「体調悪いなら、休めば良かったのに」
ギクチ「なんだ?ナオ、体調悪いのか?」
ナカダ「大丈夫ですか?無理しない方が…」
リリア「そうよ、無理しないで保健室に行きなさい」
ナオ「大したことないから大丈夫だよ みんな、優しいね」
ユウハ「ナオちゃん、人気者だからね!」
アイ「みんなに愛されてるぅ!」
ナオ「なんだか恥ずかしくなってきた・・・ も、もう授業始まるよ」
ギクチ「な、なぁ、大丈夫・・・だよな?」
ナカダ「さあ、どうでしょうね」
ギクチ「おい!どういう意味だ?あ?」
リリア「やめなさい ミドー先生が来ましたわ」
ミドー「おはようございます それでは授業を始めましょう」

〇教室
ミドー「ギクチくん、次のところ読んでください」
ギクチ「おう!えーと わ…わ…なんだっけ?」
ミドー「『吾輩は猫である』ですよ」
ギクチ「日本語、難しすぎるだろ!」
ミドー「日頃から勉強していれば読める漢字ですよ」
ナオ「あははは!」
  ズキ・・・
ナオ「うっ…また頭痛が…」
ナオ「えっ…」
ギクチ「厳しいなぁ、先生は」
ナオ(い、今見えたのは何?)
ナオ(一瞬、ギクチくんが怪物に…幻覚?)
ナオ(やっぱり体調悪いのかな)

〇保健室
保険医「熱もないようだし、疲れから来る頭痛かな? よく眠れてる?」
ナオ「昨日、怖い夢で起きちゃって」
保険医「どんな夢?」
ナオ「夢の中で怪物に襲われて逃げるんですけど」
ナオ「捕まってしまって・・・ 恐ろしくて目が覚めました」
保険医「眠れないなら薬だそうか?」
ナオ「あ、そこまでじゃ… 大丈夫です」
保険医「ミドー先生には言っておくから、休んでいきなさい」
ナオ「はい、少し眠ります」

〇保健室
ナオ「スー スー」
ナオ「う…うう…」
ナオ「あれ?もう夜? 私、ずっと寝てたの?」
ナオ「きゃあ!!」

〇保健室
ナオ「きゃあ!いやぁ!」
保険医「ナオさん!大丈夫?どうしたの?」
ナオ「いや!こないで・・・!?」
ナオ「今のは?夢?」
保険医「うなされてたから起こしたのよ?」
ナオ「あ・・・大丈夫です ちょっと怖い夢を見て」
ナオ「もう帰りますね」
保険医「よくないわね」

〇教室
アイ「あ、ナオ戻ってきた!」
ユウハ「顔色悪いけど、大丈夫?」
ナオ「うん、ありがと なんだかずっと頭が痛くて」
アイ「今日はもう帰りなよ」
ナオ「そうしようかな」
ユウハ「送っていこうか?」
ナオ「いいよ、一人で帰れるから」
ナオ「また明日ね」
ユウハ「気をつけてね」
アイ「ばいばーい」

〇学校の廊下
リリア「もう授業始まるわよ」
ナオ「今日は早退しようかと」
ギクチ「病気か?大丈夫なのか?」
ナオ「大丈夫…うっ!」
  ズキッ!
ナオ「うああ!頭が!頭が割れる…」
ギクチ「ブォフォフォ」
リリア「ぎゃばばば」
ナオ「きゃあああ!」
ナオ「ば、化け物! 誰か!誰か助けて!」

〇教室
ナオ「アイ!ユウハ!か、怪物が!廊下に…」
アイ「えっ?」
ユウハ「何を言ってるの?」
ナオ「いやぁ! アイとユウハまで怪物に…」
ミドー「騒がしいですね どうしたんですか?」
ナオ「せ、先生!みんなが怪物に! 助けて下さい!」
ミドー「ギチギチギチギチ…」
ナオ「嘘…そんな…先生まで」
ナオ「ふふ…」
ナオ「あははは」
ミドー「いけない! ナオさん、気をしっかりもって!」
ナオ「あはははは! あはははははははははははは! あひゃひゃひゃひゃ!」
ミドー「早く!ナオさんを保健室に運ぶんだ!」
ギクチ「おう!」

〇実験ルーム
  ゴポッ…ゴポゴポ…
ミドー星人「彼女はどうですか?」
メデク星人「幻覚催眠が完全に解けてしまっている」
メデク星人「強い恐怖によるストレスで精神に異常をきたしたようだ」
ミドー星人「そうですか… 地球人に我々の本当の姿は刺激が強いようだ」
ナカダ星人「ふん…ギクチ星の幻覚催眠は技術レベルが低いな」
ギクチ星人「なんだと? 俺のせいだって言うのか!?」
リリア星人「やめなさい! 争いなど知能の低い種族がやることよ?」
ギクチ星人「チッ…」
ナカダ星人「ふん…」
ユウハ星人「ナオちゃん、壊れちゃったのかぁ」
アイ星人「私、可愛がってたのにー!」
ユウハ星人「先生、これからどうするの?」
ミドー星人「飼育個体が壊れてしまったので 今期の課題『地球人の飼育』は終わりです」
ミドー星人「飼育年数は地球時間で2年6ヶ月8日」
リリア星人「あと31日で学年1位だったのに…」
ナカダ星人「しかし、地球人の飼育は面倒でしたね」
ナカダ星人「幻覚催眠で僕たちも地球人の下等な暮らしをしなければならないとは」
ミドー星人「地球人は未だ異星間の交流も出来ない原始的な種族」
ミドー星人「同種の群れで暮らさなければ生きていけないのですね」
ミドー星人「地球人の不自由な暮らしを体験して自己を高めることが、この第三宇宙銀河高等学校の伝統でもあるのです」
アイ星人「私、地球人気に入ったからまた飼いたいなぁ」
ギクチ星人「俺もまた飼いたいぜ」
ギクチ星人「俺の星では他生物を飼うって概念が無かったからよ」
ミドー星人「ふむ…ならば、次回の星外学習は地球人の捕獲にしましょう」
ミドー星人「捕まえた地球人をまた飼育してみるのも良いでしょう」
アイ星人「やったー!」
ユウハ星人「ねぇ、先生 このナオちゃんはどうするの?」
ミドー星人「彼女、まだ直せますか?」
メデク星人「いや、記憶の改ざん、移植、幻覚催眠の上書きで脳が限界に近い」
ミドー星人「そうですか…」
ミドー星人「これは解剖実験に使うとしましょうか」
ミドー星人「皆さん、彼女に感謝してたくさん学んで下さいね」
  ゴポッ…誰か…助けて…

コメント

  • 自分以外の人が、みんな異星人ってなんだかゾッとしますね。
    読んでて怖かったです。
    みんなで育ててた…ってことがまた怖さを引き立てて、ラストではさらに!

  • みんなの正体が分かるところでも十分怖かったですが、ラストはもっと怖かったです…。もし自分の身に起きたら?とちょっと考えちゃいました。

  • ホラーということで、少しドキドキしながら拝読させていただきました。
    思っていたよりも見やすい内容でしたが、まさか地球人が…もしかしたら自分も…?と想像が膨らみ楽しく読ませていただきました。

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