6つ上の先輩

アーニャ

6つ上の先輩(脚本)

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〇教室
  桜の舞う春。
  高校に入学した私、佐藤 香菜は吹奏楽部に入部し、オーボエという楽器を吹くことになった。
佐藤 香菜「オーボエかあ、どんな楽器なんだろう・・・ 先輩もいないし、同期もいないし、一体どうすれば・・・」
  ──ガラガラ
後藤 奏「君が香菜ちゃん?」
佐藤 香菜「どーして私の名前を?」
後藤 奏「顧問の先生から聞いたんだ。 僕は後藤 奏。 この高校の卒業生だよ」
佐藤 香菜「奏先輩・・・卒業生がどうしてここに?」
後藤 奏「僕もオーボエを吹いていて、香菜ちゃんを指導するように言われて来たんだよ」
佐藤 香菜「そうなんですか! でもオーボエって難しいって聞いて・・・」
後藤 奏「そうだね。木管楽器で1番難しいと言われているからね。 でも大丈夫!僕と一緒に頑張ろう!」
  こうして出逢った香菜と奏。
  猛特訓の日々が始まる──

〇学校の廊下
後藤 奏「香菜ちゃん! 今度のコンクールでオーボエのソロがあるんだけど、どうする?」
佐藤 香菜「え!本当ですか!? やってみたいです!」
後藤 奏「そうこなくっちゃ! じゃあ早速ソロパートを練習しようか」
佐藤 香菜「か、奏先輩・・・ これ本当に吹くんですか?」
後藤 奏「やるって言ったからにはやる! 最初から諦めないの!」
佐藤 香菜(奏先輩は厳しいところもあるけど 私を想って言ってくれてるんだ・・・ 期待に応えないと・・・!)
  コンクールまで後1ヶ月──

〇まっすぐの廊下
佐藤 香菜「どうしよう・・・ 何度やってもここが全然吹けないよう・・・」
後藤 奏「どうしたんだい? ここはこうやって・・・」
  そういうと奏は香菜のオーボエを持ち、
  美しい音色を奏でだした。
佐藤 香菜「うわあ・・・ すっごくキレイ・・・」
後藤 奏「あはは、ありがとう。 ほら、香菜ちゃんも吹いてみて?」
佐藤 香菜(こ、これって”間接キス”だよね・・・)
後藤 奏「香菜ちゃん、顔が真っ赤だけどどうかした?」
佐藤 香菜「な、なんでもないです・・・!」
  香菜は、いつしか奏に先輩以上の感情を抱いていたのだ。
  コンクールまで後1週間──

〇テーブル席
後藤 奏「おーい!香菜ちゃん!こっちこっち〜!」
  この日は気分転換にと喫茶店へ呼び出された。
  いつもは制服だけれど、とびっきりオシャレをして来た。
  うふふ、奏先輩驚くかな
佐藤 香菜「奏先輩〜!って、え!?」
山村 美琴「驚かせちゃってごめんなさいね〜 はじめまして♪ 噂には聞いてるわよ〜香菜ちゃん♪」
後藤 奏「彼女は山村 美琴。 僕と同じ大学で、ピアノを専攻してるんだ」
佐藤 香菜(び、美人さんだ・・・奏先輩ともお似合い・・・)
後藤 奏「僕、コーヒー。2人は何にする?」
山村 美琴「私もコーヒーで。 奏はブラックだったよね」
佐藤 香菜(奏って呼び捨てなんだ・・・ しかも2人の親密度を感じる・・・ 張り切っちゃって私馬鹿みたい・・・)
山村 美琴「もう直ぐコンクールがあるのよね? 奏、私も行っていーい?」
後藤 奏「もっちろん! 僕も指揮者で出るんだよね〜、香菜ちゃん!」
佐藤 香菜(そうだ、今はコンクールに向けて集中しよう)

〇劇場の舞台
  いよいよコンクール当日
後藤 奏「さあ、みんな! 今までの成果を充分に発揮しよう!」
山村 美琴「奏〜! 頑張って〜♪」
  キャー!
  誰!?
  あの指揮者の人かっこいい〜♪
佐藤 香菜(うう・・・ やっぱり奏先輩はモテモテだなあ・・・)
佐藤 香菜(あーまた余計なこと考えちゃって・・・ 美琴さんも来てるし、 ソロも緊張するよう・・・)
後藤 奏「香菜ちゃん、リラーックス♪」
佐藤 香菜(そうよ! 私には奏先輩がついてる!)

〇綺麗なコンサートホール
後藤 奏「まずはみんな! お疲れ様! よく頑張ったね♪」
後藤 奏「今から審査員の方々の講評があるから みんな心して聞くように!」
  オーボエのソロが感情が込められていて良かった
佐藤 香菜「えっ!??わ、私!??」
後藤 奏「香菜ちゃん! おめでとう♪ 流石僕の”一番弟子”だね♪」
佐藤 香菜「奏先輩・・・!!!」
山村 美琴「お、おめでとう・・・」
後藤 奏「あとでコッソリお祝いしよっか♪」
佐藤 香菜「は、はいっ!!!」
  こうして、心の距離もグンと近付いた2人。
  まだまだ子供な私だけれど、
  いつか奏先輩に見合う女性になってみせる!

コメント

  • 主人公が健気でかわいいなぁと思いました。
    先輩にドキドキしながら練習してるところがすごくいいです。
    一緒の大学の彼女はどういう関係なんでしょうね。

  • 突然、イケメンOBがマンツーマンで指導しにきたら、ドキドキ不可避ですね...!高校生活をつい懐かしんでしまいました。

  • 6歳年上の男性先輩がオーボエの指導者でしかもイケメンときたからには張り切ってしまいますよね。彼に美しい彼女?がいても楽器に恋に頑張ってほしいです。

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