事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

5月5日 こどもの日 #シナリオ(脚本)

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〇中規模マンション

〇玄関内
  編集長が帰還しました
  唐突な話ですが、初日で行方不明になった編集長が帰還しました。大事なことなので二回言いました
( ´∀`)「無事だったんですね、編集長!」
編集長「あぁ、ずいぶんと恐ろしい目にあったがね」
  元から悪かった顔色は更に土気色になり、げっそりと痩せこけた様子と相まって、ミイラを彷彿とさせます
妹(本物だよね? お化けの擬態じゃないよね?)
  今まで行方不明から生還した人物はいません。致死率150%なんて呼ばれるゆえんです。この編集長は本当に本物でしょうか?
( ´∀`)「何があったんですか? まずは中へ」
編集長「すまないね」
  私の心配をよそに、兄は疑いもなく編集長を家の中へ通します
妹(いざとなったら、お兄ちゃんをおいて逃げよう)
  まあ、兄なら普通に生還するだろうから、問題ないでしょう

〇高層マンションの一室
  編集長はコップに注がれた水をぐいっと一気に飲み干すと、大きく息をつきました
編集長「あぁ、生き返る・・・」
妹「それはつまり、今まで死んでいた?!」
編集長「いや、ひとごこちついたという意味で」
( ´∀`)「バカ! お前はもう少し日本語を勉強しろ」
妹「お兄ちゃんに言われたくないけど?!」
編集長「いや、いいんだ。生還したなんて、信じられなくて当然だ」
編集長「だが、私は本当に戻ってこれたんだ。ここに来たのは、これまでのことを話すためだ」
  編集長は、そう言って今までのことを語り始めました
  自ら体験した世にも恐ろしい出来事を・・・

〇高級マンションの一室
  あの日、私が引っ越しの片づけをしているときのことだ
  タタッ! タタッ! タタタッ!
  部屋の中を走り回る子供の足音がしたんだ
  しかも足音は一つや二つじゃない。色々な部屋で軽い音や重い音、駆ける音に忍ぶ音が響いた
  出るのは知っていたが、ここまではっきりと聞こえるとは思ってなくて、私は内心ぎょっとしたよ
  それでも私は足音の主を探すことにした。こちらから踏み込まねば、事態の改善は図れないと思ったからね
  だが、それが良くなかった
  私は子供たちを探した。でも、まるで見つからない
  押入れ、台所、風呂場・・・音のしたところへ行っても誰もいない
  それどころか、いつの間にか押入れを開けると台所に繋がり、居間を出ると風呂場になっていた
  そこでようやく気付いた。これはかくれんぼだ
  隠れた子を探す遊び。私はそのつもりはなかったが、子供たちはそうは思わなかったのだろう
  私は子供たちの遊び相手として、異世界に閉じ込められたのだ
  出口のない家でのかくれんぼ。私はたまらず身震いした
  が、ここで諦めたら二度と外の世界に戻れないと、肝に銘じて子供たちを探し続けた
  はじめのうちは一方的に命を狙われているようで恐ろしかったさ。だが、彼らは隠れこそすれ、危害を加えることはしてこなかった
  時折、きゃっきゃっ! と、はしゃぐ声も聞こえてきてね。なんとなくわかったよ
  彼らは本当に遊んで欲しいだけなんだとね
  だから私は、彼らの為にも、本気で遊ぶことにしたんだ

〇部屋の前
編集長「まぁーてぇー!!」
「きゃーっ!!」
編集長「どぉーこぉーだー?」
  耳を澄まし、僅かな物音も聞き逃さぬようにして
  中から僅かな物音がしたら、すぐに扉を開く!

〇清潔な浴室
編集長「そぉーこぉーかぁー?」
  物陰に隠れていないか、丁寧にじっくりと見回してゆく
編集長「はぁっ・・・! はぁっ・・・! どぉーこぉーだぁー!」
  私も若くないから、すぐに息があがったが、子供たちの為に決して手を抜かずに遊んだよ
編集長「そぉこぉかぁー!」

〇マンションの共用廊下
  そして、ついさっきだ。扉を開けたら、まばゆい光が差し込んで、外に出ていたんだ

〇高層マンションの一室
編集長「子供たちは満足してくれたんだろう。喜ぶべきだが、少し寂しいものだな」
( ´∀`)「さすが編集長。良い話ですね」
妹「そですねー」
  子供たちはここに戻ることはないでしょう
  満足したから? いいえ、違います
妹(あの形相で追いかけられて、お化けも怖かったんだろうなぁ)

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