愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第64話 悪魔の血を持つ男たち①(脚本)

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〇朝日

〇岩穴の出口
  銀色の翼の像が輝く洞窟の中。
  愛天使たちは、
  家族に向けてメールを打っていた。
雪代椿「お父様、お母様。わたくし、 一人暮らしをして多くのことを学びました」
雪代椿「お二人の優しさ、慈しみを知りました」
武笠蘭「お父さん、私、 優しく強い心の持ち主になります」
武笠蘭「もしも生きて帰れたら 成長した私を見てください」
朝陽林檎「社長、ううん、あやめさん。 ご主人と明くんになんて報告を?」
霧乃あやめ「うふっ、秘密よ」
苗場桜「バビルン、ちょっと来て」
バビルン「?」
  桜とバビルンは、
  こっそりと洞窟を抜け出した。
雪代椿「・・・?」

〇洞窟の入口(看板無し)
バビルン「なんだよ?」
苗場桜「あんたに聞きたいことがあるの」
バビルン「両親には連絡したのか?」
苗場桜「とっくにメールしたわよ」
バビルン「我が儘だった私を許してってか?」
苗場桜「違う。いつまでも 仲良く暮らしてって言っただけ」
苗場桜「もう、あんたを 呼び出したのはそんなことじゃない」
バビルン「なんだよ?」
苗場桜「悪神たちの場所を教えなさい。 魔船はどこに浮かんでるの」
バビルン「そ、それは・・・」
苗場桜「あんた、私達の味方になったんでしょ。 教えなさい!」
バビルン「・・・わ、わかったよ」
バビルン「魔船の位置は・・・」
バビルン「・・・座標軸北西N115、 S208地点だ」
苗場桜「あの方角ね・・・」

〇魔物の巣窟
  巨大な空間の中に、
  何百もの魔霊たちの卵がある。
ベーザイ「我がしもべの魔霊ども、まもなく お前たちを全宇宙に解き放つ時が来る」
ベーザイ「やがて全宇宙は 悪魔に支配されるであろう」
ベーザイ「はっははは・・・」

〇謎の施設の中枢
ビーモン「クローバー。貴様、 ベーザイ様の命令に逆らったようだな」
悪神クローバー「悪いか」
ビーモン「悪神の風上にも置けぬ振る舞い。 許さんぞ」
悪神クローバー「俺は誰の支配も受けはしない」
ダーブラック「新参者が生意気を言うな」
ホーディ「古くからいる者が偉いとは限らないぜ」
ダーブラック「なんだと!?」
ビーモン「ダーブラック、落ち着け」
ダーブラック「だって兄さん・・・」
ビーモン「俺はベーザイ様の命令に背くクローバーを 諌めているだけだ」
ビーモン「仲間割れは御法度だぞ。クローバーもな」
悪神クローバー「仲間割れだと? 俺はお前たちの仲間になった覚えはない」
悪神クローバー「俺の思うがまま、勝手にやるだけだ」
ビーモン「!」
エビーダ「面白い。我々の穏やかな湖に 石が投げ込まれたようだな」

〇宇宙戦艦の甲板
ホーディ「お前の態度、小気味よかったぜ」
悪神クローバー「・・・・・・」
ホーディ「ビーモンの奴、 何かと言うと偉そうにする」
ホーディ「俺たち悪神は平等だ。 それなのに主導権を握ってるのは自分だ、 そう思ってやがる。嫌味な奴だ」
ホーディ「俺は好きで悪神になったわけじゃねえ。 だけど、今は満足してる」
ホーディ「俺には、夢があるんだ」
悪神クローバー「?」
ホーディ「俺はな、幼い頃、 誰にも愛されない嫌われ者だった」
ホーディ「両親は幼い頃に死んだ。 俺は天外孤独だった」

〇荒廃した市街地
  暗汚れたスラム街の隅。
  そこに布施川ショウ──
  悪神になる以前のホーディが潜んでいた。
  ショウは通りを歩く女性に狙いを定めると、突然バックを奪って逃走した。
裕福そうな女性「ひったくり!」
  必死に逃げるショウ。
  しかし、通行人の男たちが
  ショウを路地裏に追い込む。
  男たちはショウを捕まえると
  激しい暴行を加えた。
  血を吐いて倒れるショウを残して、
  男たちは去っていった。
  「お前を不幸に導いた社会を恨め」
布施川ショウ「・・・?」
ベーザイ「お前をなじる者どもを憎め」
ベーザイ「今こそ、お前は 孤独から解き放たれるのだ!」
布施川ショウ「オオ~ッ!!」

〇宇宙戦艦の甲板
ホーディ「その時から俺は力をつけ、 みんなを見下す男になりたいと願った」
悪神クローバー「浅はかな考えだな」
ホーディ「なんだと? だったらお前はなんだ?」

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