愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第60話 第七の悪神③(脚本)

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〇住宅地の坂道
  呼吸を荒げて、
  夜の坂道を走る林檎。

〇黒
女神「もし彼に裏切られても、 彼を愛し続けることができますか」

〇住宅地の坂道
朝陽林檎「・・・ハア・・・ハア」

〇美しい草原
  しろつめ草の咲き乱れる
  夜の丘の上に、林檎はやってきた。
朝陽林檎「優斗さん!」
  林檎の呼びかけに、
  木陰から人影が現れる。
悪神クローバー「ここだ、林檎」
朝陽林檎「! ・・・優斗さん、だよね?」
悪神クローバー「ああ。どうした、 そんな不安そうな顔をして」
朝陽林檎「だってその姿・・・それに、優斗さんが送ったあの写真、どういうこと?」
悪神クローバー「・・・懐かしいな、林檎」
悪神クローバー「俺たちはこの場所で、初めて出会った。 俺はお前を一目見て運命を感じたんだ」
朝陽林檎「・・・・・・」
悪神クローバー「この気持ちが恋なのかと、あの時の俺はそう思った」
悪神クローバー「・・・だがそれは、間違いだった!」
朝陽林檎「・・・え?」
悪神クローバー「俺が感じたのは、血だ。 お前に流れる天使の血」
朝陽林檎「優斗さん・・・何、言ってるの」
悪神クローバー「俺の体には、二つの血が流れている」
悪神クローバー「一つはお前と同じ天使の血。 そしてもう一つは、悪魔の血」
朝陽林檎「悪魔? なにそれ、 優斗さんが悪魔なわけない!」
悪神クローバー「俺はお前に、 恋なんてしていなかった!」
朝陽林檎「!?」
  突風が巻き起こり、
  林檎は後方へ吹き飛ばされた。
  その拍子に、林檎の服から
  キーホルダーが地面に転がり落ちた。
  クローバーは一歩踏み出し、
  そのキーホルダーを足で踏みつける。
朝陽林檎「何するの!? やめて!」
悪神クローバー「お別れだ」
  押しつぶされた
  キーホルダーにひびが入る。
朝陽林檎「やめてぇーー!」
  パキィン!
悪神クローバー「俺はただ、知りたい。 自分の存在意義を」
悪神クローバー「──何故俺はこんなにも、 お前を殺したくて仕方ないのかを!」
朝陽林檎「ひどい・・・ひどいよ。 ・・・すごく大切な物だったのに!」
悪神クローバー「かかってこいよ、林檎。 お前もお前を証明してみせろ」
朝陽林檎「・・・優斗さん、 変だよ、どうかしてる!」
朝陽林檎「私、あなたとは戦えない、 戦いたくない!」
悪神クローバー「なら戦いたくさせてやる!」
  悪神クローバーは林檎に近寄り、
  彼女の首を締めあげる。
朝陽林檎「! ・・・うっ・・・や、やめ・・・」
悪神クローバー「どうした? このまま変身しないと死ぬぞ?」
朝陽林檎「うう・・・マニフェステイション・オブ・ラブリィ・エンジェル・アップル!」
アップル「・・・ハア・・・ハア」
アップル「・・・お願い、目を覚まして」
アップル「優斗さんが悪魔なわけないよ。 きっと、悪に操られてる!」
悪神クローバー「操られている? 違う!」
アップル「きゃあっ!」
悪神クローバー「どうした、反撃してみせろ!」
アップル「嫌だ、戦いたくない! お願い、元の優しい優斗さんに戻って!」
悪神クローバー「元の優斗なんていない!」
アップル「思い出して、私達が過ごした思い出の日々を! ウェディング・ベル!」
アップル「・・・? ベルが、効かない?」
悪神クローバー「アップル、まだ勘違いしているのか? そんなものは効かない」
悪神クローバー「なぜなら俺は、操られているわけでも、 悪に染められたわけでもないからだ」
アップル「・・・じゃあ、何だっていうの」
悪神クローバー「今の俺こそ、本当の俺なんだ。 悪魔の血が目覚めたこの俺が!」
悪神クローバー「今までの俺は全て偽りだった!」
アップル「・・・嘘だ・・・嘘だよ。 優斗さんが、悪魔なんて・・・」
悪神クローバー「俺とお前は、最初から相容れない存在だったんだ。それが、俺とお前の運命だ!」
アップル「・・・っ!」
悪神クローバー「お別れの時間だ、アップル」
  悪神クローバーの
  巨大なオーラがアップルに放たれる。

〇美しい草原
バビルン「林檎! ・・・くっ」
  物影から様子を見ていた
  バビルンは、思わず足を踏み出す。
  その時、バビルンの後方から
  何者かが飛び出した。

〇美しい草原
オーキッド「くっ・・・」
アップル「・・・オーキッド! どうして──」
悪神クローバー「一人で来いと言ったはず」
オーキッド「私が勝手に後をつけた!」
悪神クローバー「約束を破ったな。 まずはお前から殺す!」
アップル「逃げてえぇ、オーキッド!」
オーキッド「うあああぁぁっ!」
アップル「オーキッド、 しっかりして、オーキッド!」
悪神クローバー「あっけない。これが愛天使か」
オーキッド「・・・っ」
  震える膝を奮い立たせて、
  オーキッドが立ち上がる。
「!」
オーキッド「私は──私には大切な人がいる」
オーキッド「それを守るためなら、 私は死んだっていいんだ!」
悪神クローバー「・・・まだ息があったか」
オーキッド「私はアップルを守る!」
アップル「オーキッド・・・」
悪神クローバー「これで、とどめだ!」
アップル「やめて!」
  アップルがオーキッドの前で、
  手を広げて立ちはだかった。
悪神クローバー「!」
アップル「私、もう逃げないよ」
悪神クローバー「・・・・・・」
アップル「オーキッド、 私もあなたのことが大切なの」
アップル「あなたを失いたくない!」
オーキッド「・・・アップル」
悪神クローバー「どけよ。お前は次だ」
アップル「これ以上、私の友達を傷つけさせない!」
  パンッ!
  アップルの平手打ちが、
  悪神クローバーの頬に当たった。
悪神クローバー「お前・・・死ね!!」
オーキッド「アップル、逃げてえぇぇ!!」
  オーキッドが叫ぶが間に合わない。

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