愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第59話 第七の悪神②(脚本)

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〇森の中
  生い茂った森の中を、
  兵士の大軍が駆けていく。
兵士「いたぞ、あっちだ!」

〇森の中
  兵士たちに見つからないように
  姿を隠すベーザイ。
  林檎は隣で彼女を見守っていた。
朝陽林檎(・・・あなたは本当に悪魔なの)
朝陽林檎(恋する気持ちは、 私たち人間と変わらないのに)
男性「こっちだ、ベーザイ!」
ベーザイ「ごめんなさい、 あなたまで巻き込んでしまって」
男性「・・・君が一体何をしたっていうんだ」

〇洋館の玄関ホール
ベーザイ「何をしようと関係ない」
ベーザイ「私は悪魔。 存在そのものが、許されることはない」
男性「・・・君が悪魔じゃなければ、 僕はこんなことをせずにすんだのに」
ベーザイ「?」
  床に張られた魔法陣が、
  ベーザイを拘束する。
「!?」
兵長「よくやった」
ベーザイ「っ・・・これは」
男性「僕の一族は、悪魔に滅ぼされた! 僕はその唯一の生き残り」
兵長「悪魔を封じる結界。見事だ」
男性「ベーザイ。僕の愛する人。愛するがゆえに、僕は君の血を許すことができない!」
兵長「殺せええぇぇぇぇ!!!!」
  槍をもった兵士たちがベーザイを襲う。
  林檎は思わず目をつぶった。

〇血しぶき
  林檎が目を開くと、
  そこには死体の海があった。
  その海の中心に、
  うつろな瞳をしたベーザイが立つ。
ベーザイ「・・・ようやく分かった」
ベーザイ「私はなんのために生まれてきたのか」

〇荒廃した街
  炎に包まれた街の中。
  あちこちから住民たちの悲鳴があがる。
  逃げ惑う人々を、ベーザイ率いる悪魔たちは容赦なく八つ裂きにした。
朝陽林檎「やめて・・・もうやめて!!」
???「おやめなさい!」
朝陽林檎「あれは、女神様・・・!?」
女神「世界に罪はありません」
ベーザイ「・・・天使たちの女王」
女神「あなたは愛が欲しいのですね」
ベーザイ「黙れ!」
  ベーザイが鋭い爪で斬りかかる。
  しかしその直前、女神の体は沢山の羽根に変化して姿を消した。
  「五つの鐘の音が響くとき」
  「天上より愛天使舞い降りて、
   この世から悪の芽を葬り去らん」

〇地球
  僅かな光さえも閉ざされた宇宙空間。
  ベーザイは膝を抱えて
  うずくまったまま暗闇の中を漂った。
???「はるか昔のことです」
女神「ベーザイは地球を追放されました。 あなたの祖先、愛天使たちに敗れて」
朝陽林檎「!? 私のことが、見えて・・・」
女神「彼女こそ全ての元凶」
女神「ベーザイは強力な悪魔を連れて、 宇宙をさまよいました」
女神「いつか復活し、地球に戻ることを誓って」
朝陽林檎「・・・この人が」
女神「あなたにも、愛する人がいますね」
朝陽林檎「はい」
女神「あなたなら。もし彼に裏切られても、彼を愛し続けることができますか」
朝陽林檎「・・・え」
女神「落ち着いて聞きなさい、林檎」
女神「黒岩優斗に危険が迫っています。 財前麗子は、ベーザイの仮の姿」
朝陽林檎「!」
女神「さあ、目を覚ますのです」
  「・・・林檎!」
  「林檎!」

〇公園のベンチ
武笠蘭「林檎!」
朝陽林檎「・・・蘭」
武笠蘭「林檎、倒れてたんだよ!」
朝陽林檎「私、ブローチを拾って・・・」
武笠蘭「気がついてよかった。何があったの?」
朝陽林檎「・・・優斗さんが危ない」
武笠蘭「ちょっと、どこ行く気? 少し休んだ方がいいよ!」
朝陽林檎「でも、行かなきゃ!」
武笠蘭「林檎の体の方が大切だ」
朝陽林檎「・・・ごめん、蘭」
武笠蘭「林檎・・・。 そんなに、黒岩さんが大事なの」

〇廃ビルのフロア
  血だまりの中に横たわる優斗。
ビーモン「反応がありません、ベーザイ様」
ビーモン「・・・やはり、天使の血が 覚醒を拒絶したのでしょうか」
ベーザイ「そのようなはずはない!」
  ベーザイは優斗に、
  大量の邪悪なオーラを放った。
黒岩優斗「ぐあぁぁぁぁぁーー!!」
ビーモン「・・・バカな、既に死んだはず」
黒岩優斗「・・・クク・・・ははっ、ははは」
悪神クローバー「ずいぶん乱暴な起こし方だ」
悪神クローバー「・・・おはよう、悪のプリンセス」
ビーモン「お前が・・・」
ベーザイ「第七の悪神、クローバー」
「!!」
悪神クローバー「次からはこう起こせよ」
ビーモン「ベーザイ様に何を!!」
  ビーモンが殴りかかる。
  しかし、悪神クローバーは
  平然とした顔でそれを受け止めた。
ビーモン「!?」
悪神クローバー「軽い・・・これがお前の本気か?」
ビーモン「・・・貴様っ」
ベーザイ「よい。拳をおさめよ」
ビーモン「しかしっ!」
ベーザイ「悪神クローバー。 我々の目的は世界を悪に染めること」
ベーザイ「そのために歌で人々を洗脳し、 邪魔する者は──」
悪神クローバー「好きにしろよ。 俺の目的は、俺自身が決める」
「!」

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