第47話 愛する人を守れ! クローバー参上②(脚本)
〇遊園地の広場
林檎と優斗は遊園地で様々なアトラクションを楽しんだ。
ジェットコースターのゲートから出てきた林檎が、ふらふらした足取りでベンチに腰掛ける。
朝陽林檎「ふ~。疲れた~」
黒岩優斗「食えよ」
朝陽林檎「えっ。でも・・・」
黒岩優斗「遠慮するな。 これでも俺は社会人なんだから」
朝陽林檎「・・・ありがとうございます」
林檎はソフトクリームを受け取るとニコニコして食べ始めた。
優斗も林檎の隣に腰かけて、ソフトクリームを食べる。
黒岩優斗「実は、お礼を言いたいのはこっちのほうなんだ」
朝陽林檎「?」
黒岩優斗「最近仕事ばっかりでさ──こんなに笑ったの、久しぶりだ!」
無邪気に笑う優斗の横顔を、思わず見つめる林檎。
視線に気づいた優斗が振り返った。
ふいに優斗と目が合う林檎。その手からソフトクリームの山が崩れ落ちた。
「あっ!」
慌てて手を伸ばす二人。
お互いの顔が至近距離まで近づいて──
武笠蘭「ダメーーーッ!!」
「!?」
黒岩優斗「君は・・・」
朝陽林檎「蘭!? なんでここに・・・」
武笠蘭「あ・・・。えーっと・・・あはっ。 あはははは! ぐうぜ~ん!」
「??」
〇遊園地の広場
武笠蘭「──と、いうわけで。 あたしもご一緒させていただきます!」
朝陽林檎「別にいいけど・・・」
武笠蘭「コーヒーカップか。懐かしいなー」
武笠蘭(ふっふっふ。コーヒーカップを回転しまくってコイツをぐったりさせて、林檎とデートに持ち込んでやるんだから!)
〇遊園地の広場
三人がコーヒーカップの中に足を踏み入れると、軽快な音楽とともにカップが動き始める。
武笠蘭「うりゃーーーっ!」
蘭がハンドルを回すと、三人が乗るカップは猛スピードで回転した。
朝陽林檎「ちょっと蘭!? あんまり回すと・・・」
黒岩優斗「はは、君やるなあ!」
黒岩優斗「よし次は俺だ! おりゃーーーっ!」
朝陽林檎「きゃー! 黒岩さんまで!?」
武笠蘭「まだまだ! どりゃーーーっ!」
黒岩優斗「やる気か!? そりゃーーーっ!」
朝陽林檎「も~! 二人ともやめてってば~!」
〇遊園地の広場
武笠蘭「はにゃ~・・・」
朝陽林檎「だから止めたのに」
黒岩優斗「大丈夫か?」
武笠蘭「はあ、まあ・・・」
朝陽林檎「あ・・・」
武笠蘭「?」
林檎が見つめる先に、メリーゴーランドがあった。
朝陽林檎「メリーゴーランド・・・。 小さい頃、よく乗ったなあ・・・」
武笠蘭「──乗ってきなよ」
朝陽林檎「えっ?」
武笠蘭「乗りたいんでしょ? メリーゴーランド。 あたしなら大丈夫だからさ」
朝陽林檎「蘭・・・!」
〇メリーゴーランド
メリーゴーランドに乗り込む林檎と優斗を、蘭はベンチから見守った。
装置がゆっくりと回転して、馬が上下に動き始める。
馬の背に揺られて、林檎は飛び切りの笑顔を見せた。
武笠蘭「あはは。楽しそうにはしゃいじゃって」
武笠蘭「林檎ってば あんなにメリーゴーランド好き──」
言いかけて、言葉をつぐむ。
笑顔を見せる林檎の視線の先には、優斗の姿があった。
武笠蘭(!! ちがう。林檎が好きなのは──)
武笠蘭「・・・っ!」
蘭は思わず二人に背を向けて走り出した。
武笠蘭「なんでアイツなの? なんであたしじゃダメなの?」
武笠蘭「嫌だ──嫌だよ、林檎!」
〇店の休憩室
布瀬川ショウ「なぜトウヤばかり! 畜生、腹が立つぜ!」
ホーディがSNSにあげた写真のコメント欄は、トウヤの話題で持ちきりだった。
大門トウヤ「ホーディ。最近たるんでいるぞ」
布瀬川ショウ「チッ・・・偉そうに」
大門トウヤ「何?」
布瀬川ショウ「お前も失敗して愛天使を取り逃がしたくせに、でかい口を叩くなって言ってんだよ」
大門トウヤ「!」
六本木ジン「ククク。また騒いでる奴がいるぜ」
布瀬川ショウ「気分が悪い。外の空気でも吸ってくるぜ」
大門トウヤ「はあ・・・最近、何かというとホーディが突っかかってくる。なぜだ?」
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