愛天使世紀 ウェディングアップル

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第43話 初恋を守れ!①(脚本)

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〇森の中のオフィス
朝陽林檎「初恋同士の結婚!?」

〇校長室
朝陽林檎「ロマンチック~!」
純田唯「思い出の軽見沢で結婚式を挙げるのが、私たちの夢で」
朝陽林檎「思い出?」
生井章介「軽見沢は、中学の卒業旅行で僕が彼女に告白した場所なんです」
朝陽林檎「告白が成就した場所で結婚式ってこと!? すごい!」
霧乃あやめ「お客様になんて口の利き方するの」
朝陽林檎「! す、すみません・・・」
霧乃あやめ「林檎を式の担当にするの、やっぱり早かったかしら・・・」
朝陽林檎「そんなぁ」
純田唯「いえ、そんなふうに言ってくれる人が担当でよかったです。よろしくお願いしますね」
朝陽林檎「任せてください! 全力で二人の結婚式を成功させちゃいますよ~!」

〇結婚式場前の広場
朝陽林檎「ごめん、桜ちゃん。 来週末はダメだ~。行けないよ」
苗場桜「ええ!? 来てくれなきゃ困る!」
苗場桜「軽見沢のライブ、林檎と二人だからってママに許してもらえたのに」
武笠蘭「ライブ遠征するほど好きなのか、FRENZYなんて」
苗場桜「うるさいな!」
朝陽林檎「唯さんたちの結婚式だから絶対に休めないんだ」
苗場桜「そんなぁ・・・どうしよう」
朝陽林檎「でも、その式も軽見沢でやるんだよ。 偶然桜ちゃんに会ったりしてね」
武笠蘭「・・・林檎も軽見沢に行くってことか?」
朝陽林檎「もちろん! 担当だもん」
武笠蘭(林檎と軽見沢か・・・)

〇池のほとり
朝陽林檎「向こうは静かだよ。 二人で軽見沢の思い出・・・作ろ?」
武笠蘭「! 林檎」

〇結婚式場前の広場
武笠蘭「へへ、なんてことが・・・」
苗場桜「何ブツブツ言ってんの?」
武笠蘭「決めた。あたし、桜と軽見沢へ行く」
苗場桜「はあ?」
朝陽林檎「蘭もFRENZYに興味出てきた?」
武笠蘭「ま、まあ・・・そんなとこ」
苗場桜「ええ~、この暴力女と一緒~?」
武笠蘭「誰かと一緒じゃなきゃ、遠征できないんだろ?」
苗場桜「うっ、そうだけど・・・」
武笠蘭「あっちで会えるといいよな、林檎!」
朝陽林檎「うん!」

〇ホテルの駐車場
  林檎と優斗は二人でバスのトランクに荷物を運んだ。
黒岩優斗「まさかお前がアイリスの担当だとは」
朝陽林檎「私も、まさか四葉トラベルの担当が黒岩さんだとは思いませんでした・・・」
黒岩優斗「・・・子守りは業務に入ってなかったはずだけど」
朝陽林檎「むっ、ご迷惑はかけませんから!」
霧乃あやめ「もう新郎新婦もバスにお乗りになったわね?」
朝陽林檎「招待客様も全員ご乗車です!」
霧乃あやめ「林檎、あっちに着いたら教会のスタッフさんと連携して頑張るのよ」
霧乃あやめ「一番優先するのは──」
朝陽林檎「わかってます! お客様のご要望、ですよね!」
黒岩優斗「はぁ、気合いだけは充分って感じだな」

〇観光バスの中
朝陽林檎「唯さん、さっきから見てるその瓶、なんですか?」
純田唯「ふふ、ライラックのドライフラワーを入れてあるんだよ」
朝陽林檎「もしかして、それにも素敵な思い出が?」
純田唯「うん、このライラックの木の下で章介くんに告白されたの」
朝陽林檎「素敵! その花をドライフラワーに」
純田唯「ライラックの花言葉は『恋の芽生え』に『初恋』・・・この花は私の特別なの」
朝陽林檎「花言葉までお二人にぴったり!」
純田唯「ありがとう。ねえ、林檎さんには初恋の思い出って、あるの?」
朝陽林檎「え・・・」

〇美しい草原
少年「結婚指輪だよ」
朝陽林檎「・・・!」

〇観光バスの中
朝陽林檎「えへへ。実は私にも・・・」
純田唯「クローバーのキーホルダー?」
朝陽林檎「初恋の人に貰ったんです。名前も知らないんですけど・・・私には王子様で」
純田唯「クローバーの花言葉は『幸福』『約束』・・・それから『私のものになって』」
朝陽林檎「!」
純田唯「その王子様にもう一度出会えたら、それってきっと・・・運命だよ」
朝陽林檎「運命の王子様!!」
黒岩優斗「何を騒いでるんだ、林檎。 バスの中で一番うるさいぞ」
朝陽林檎「うぐっ」
黒岩優斗「王子様だか何だか知らないけど、仕事中だってことを忘れるな」
朝陽林檎「はぁ~い・・・」

〇田舎の教会
  一同を乗せたバスは、軽見沢の教会前に到着した。
  教会の前にはクローバーの庭園が広がっている。

〇養護施設の庭
黒岩優斗「思い出のライラック、ですか?」
純田唯「この近くにあるはずなんです」
朝陽林檎「そこで唯さんと章介さんの記念写真を撮ったら、すぐに帰ってくるから!」
黒岩優斗「しかし、そんな時間は予定に・・・」
純田唯「・・・どうしても駄目ですか?」
生井章介「事前に打ち合わせしてないのに、ご迷惑ですよね? やっぱり諦めて・・・」
黒岩優斗「・・・いえ、少しなら大丈夫でしょう。 調整します」
朝陽林檎「!」
黒岩優斗「章介さんたちは先に探しに行ってください。教会のスタッフと時間調整をしたら、すぐに追いかけます」
「ありがとうございます」

〇養護施設の庭
朝陽林檎「黒岩さん、どうして・・・」
黒岩優斗「俺だって結婚式に携わる人間として、後悔のない式にしたいって思いはあるんだよ」
朝陽林檎「・・・そっか、ありがとう」

〇寂れたドライブイン
黒岩優斗「時間調整できてよかったな」
朝陽林檎「黒岩さんってすごい! 口が上手いんだね」
黒岩優斗「なーんか引っかかる言い方だな」

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