愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第41話 闇からの脱出②(脚本)

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〇薄暗い谷底
  不気味な渦が巻く暗闇の中。
  他の愛天使たちを探して、林檎は岩壁づたいに細い通路を進んだ。
朝陽林檎(みんな、無事でいて・・・!)

〇薄暗い谷底
雪代椿「あぁぁぁ~~! 嫌! 嫌です!」

〇豪華な客間
雪代雅志「結納は滞りなく済みました」
雪代雅志「これで重行くんと椿の結婚、そして会社合併も決まったようなものですな」
隅田重行「はい、弊社の生産力。貴社の営業力。 一体化すれば業界一になります」
隅田重行「僕は今、我が社の専務。ですが、やがては父が社長の座を譲ってくれると」
雪代雅志「そうですか。お互い、会社の将来は安泰というものですな」
雪代雅志「椿、重行くんは、合併後の次世代を担う社長の器だ。出逢えて良かったな」
雪代椿「はい」

〇地下駐車場
  片隅に駐車した赤いスポーツカーに向かって歩く椿。
  すると、黒塗りの高級車の中に見慣れた人影を見つけた。
  そこにいたのは、車内で女性とキスをする重行の姿だった。
雪代椿「!!」

〇広い玄関(絵画無し)
雪代雅志「重行くんはそんな男じゃないはずだ。 お前の勘違いじゃないのか?」
雪代椿「わたくし、結婚はしません」
雪代雅志「もう一度、冷静になって・・・」
雪代椿「嫌です」
雪代雅志「な、なんだと? くっ、親に逆らうお前など、勘当だ!」
雪代忍「あなた・・・」
雪代椿「わたくし、一人で生きていきます」
雪代雅志「どうやって? 暮らしはすべて私達に頼って来たお前だ。貯金などわずかしかないだろう」
雪代椿「働きます」
雪代忍「椿・・・」
雪代椿「お母様、ごめんなさい」
  バッグ一つで出ていく椿。
  その背中を見送りながら、母はその場に泣き崩れた。

〇薄暗い谷底
  「俺が見せる幻覚で、
   心が壊れてしまえ!」
雪代椿「ぁぁぁ~~!」

〇モヤモヤ
雪代忍「椿」
雪代椿「お母さま・・・?」
  椿が手を伸ばした瞬間、母の姿が黒い闇に包まれる。
雪代椿「ぁぁぁ・・・」
  「誰の言うことも
   聞かないお前は鬼だ」
  「皆からわかって貰いたいなら、
   お前も鬼になれ!」
雪代椿「嫌・・・嫌です」
  「ならばお前は・・・
   見捨てられるのだ」
  「心を壊し、死ぬがいい」
雪代椿「ぁぁぁ~~~」

〇薄暗い谷底
雪代椿「ぁぁぁぁぁ~!」
朝陽林檎「!」
朝陽林檎「椿さん!」
雪代椿「誰も、誰もわたくしの気持ちなどわかってはくれません!」
朝陽林檎「椿さん、しっかりして!」
雪代椿「近寄らないで。 わかったふうな真似はやめて!」
朝陽林檎「・・・そうでしょうか?」
雪代椿「そうよ。 わかってくれる人など、誰もいない」
朝陽林檎「椿さん、思い出して! 必ず誰かいるはずです」
雪代椿「・・・必ず誰かいる?」
  林檎は胸元のペンダントから放たれる光を椿に照射した。
  すると、呼応するように椿のブレスレットのルビーが輝きを放つ。
雪代椿「・・・?」
  その光の中に、ぼんやりと浮かぶ人影があった。
雪代椿「!」

〇シックな玄関
  ポストに入っていた一通の封筒。
雪代椿「お母様・・・?」
  椿、元気に暮らしていますか?
  私はいつでもあなたの味方です。
  それにね、口には出さないけれど、お父様も心配していらっしゃるのよ。

〇薄暗い谷底
雪代椿「お母様・・・」
朝陽林檎「椿さんってお嬢様育ちなんでしょ? しかもとっても美人」
朝陽林檎「そんな人って誤解されること、いろいろあると思う」
雪代椿「・・・・・・」
朝陽林檎「でも、私、信じてる。 わかってくれる人は必ずいると・・・」
雪代椿「・・・わかってくれる人がいる?」
朝陽林檎「私だっているじゃない」
雪代椿「!」
雪代椿「林檎さん・・・」

〇ライブハウスの入口
  ~ライブ会場~

〇ライブハウスのステージ
  ♪恋に疲れて悲しく眠る女に
   ララバイを捧げよう
  ♪夜更けの町に明かりはあるのか
  ♪この世には
   生きる価値などすでにない
  ♪さあみんなで
   心鎮めるレクイエムを歌おう
客席「FRENZY!」
客席「FRENZY!」

〇ライブハウスの控室
ビーモン「今夜のライブも成功だな」
エビーダ「醜き邪魔者、愛天使が消えたのは何よりも美しい」
ダーブラック「奴ら、どうなったかな?」
ビーモン「今頃、奴らの心は、すでに壊れているだろう」
ホーディ「確かめなくてもいいのかい?」
ビーモン「!」
ダーブラック「兄さん、ぼく、確かめてくる」
ビーモン「魔ダークは最も有能な闇の魔霊。 心配は無用──」
ビーモン「余計な真似を・・・」

〇薄暗い谷底
  林檎たちは、蘭と桜を探して岩壁の細い通路を進んだ。
朝陽林檎「蘭、桜ちゃん!」
雪代椿「桜ちゃん、蘭さん~!」

〇洞窟の深部
  不気味な渦の中で、意識を失った蘭が地面に倒れている。

〇モヤモヤ
男性1「蘭、お前は女の癖に生意気だ」

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