朝の「謎」と「秘密」(脚本)
〇昔ながらの一軒家
──ここは、ネットのどこかに
存在していると噂される
「TapNovelMaker」と呼ばれる
地域にある、「BGM」達の家。
みやび「あぁ、今日もええ朝やなぁ」
みやび「こないな日には、縁側でお茶でも 飲みたい気分やぁ♪」
みやび「・・・!」
みやび(あかん、庭の花がぐしゃぐしゃに・・・!)
謎「おはようございます・・・ みやびさん、どうしました?」
みやび「ああ、謎さん丁度ええ所にっ! 実はここに植えてた花が──」
ギャグ「あ゙ぁもう、うるっさいなぁ! こんな早いのに何で起こすの?!」
みやび「ギャグくんまで?!」
みやび「・・・ちゅうか、あんたの方が フッツーにやかましいで!」
謎「いやぁ、こんな些細な出来事でも ・・・面白い推理になりそうですねぇ」
みやび「謎さん、その台詞怪しい!」
ギャグ(・・・やっべ。2人とも警戒しとこ 変な事言ったら即死だし・・・)
〇おしゃれなリビングダイニング
みやび「・・・おはよう」
絶体絶命「あ、みやびさんおはよー!」
みやび「なあ、秘密さん呼んでくれへん? うち話したい事があんねん」
絶体絶命「え?あ、分かった・・・」
ギャグ「・・・みやび。まさか絶体絶命さん、 ジョギング帰り?すごい汗臭い」
みやび「まあ、そうとしか考えられへんね」
秘密「・・・みやびさん、どうしたんですか? 絶体絶命さんから呼ばれて来ましたけど」
みやび「ああ、絶体絶命さんにも言うたけど 話したい事があるんや」
秘密「・・・話したい事、ですか」
〇おしゃれなリビングダイニング
謎「──という事だそうですよ、 みやびさんによればね」
謎「そう、彼女は清々しい朝、 何も知らなかったのに・・・」
謎「グシャグシャァ、と・・・ 無惨に潰された花を目の当たりに・・・!」
みやび「・・・謎さん、ちょい感情 込めすぎやね・・・」
絶体絶命「え、マジなの?!やば・・・ 誰も名乗り出ないし・・・空き巣?」
ギャグ「空き巣、って・・・」
ギャグ「でも、その可能性もゼロじゃないよね」
絶体絶命「ねえ、秘密さんはどう思う・・・?」
秘密「・・・何も言えません」
ギャグ「・・・ねえ、やっぱ秘密さんに 聞いても意味ないんじゃ・・・」
絶体絶命「秘密さんッ!!」
秘密「・・・何ですか」
絶体絶命「今の秘密さんの発言、すごい怪しいよ! 犯人ってこういうもんでしょ謎さん!」
謎「あ、怪しい・・・?!」
秘密「・・・っ」
みやび「秘密さん、怪しいって言われてんで! 自分がやったなら言うてや!」
ギャグ「あーえっと、俺二度寝したいから・・・ 早くしてもらえるかな?」
秘密「・・・怪しいとは何の事ですか。 私は犯人ではなく、目撃者です」
絶体絶命「ウソつけ!さっきからすっごい 怪しいくせに、今更しらばっくれるの?!」
謎「いえ、しかし・・・! ここは言い分を聞くのが得策かと・・・」
謎「仮に秘密さんが犯人でなければ、 ギャグさんか絶体絶命さんが・・・」
ギャグ「は?!ちょっと八つ当たり!理不尽!!」
ギャグ「その時俺寝てましたー!!!はい論破!!!」
絶体絶命「うん・・あたしがジョギング行った時に 秘密さんはいなかったし・・・」
秘密「・・・気付かなかっただけでは?」
絶体絶命「は・・・?」
秘密「・・・犯人は、絶体絶命さんでした」
絶体絶命「ええええ何で何で何で?! ウソでしょ私が犯人?!どゆこと?!」
秘密「・・・それは言えません。 言ったらまずそうなので」
みやび「いや、そら言うてや?!」
秘密「・・・口封じされていたら 殺されてもおかしくないので」
みやび「さらっと怖い事言わんといてや・・・!」
絶体絶命「・・・え、あ・・・待って。 あたし靴見に行ってくる」
ギャグ「・・・え?うん」
〇玄関内
絶体絶命「自分が犯人とか、信じられない・・・」
絶体絶命「・・・でも本当に土付いてたら・・・」
絶体絶命「・・・え・・・?!」
〇おしゃれなリビングダイニング
謎「・・・おや、戻ってきたようですね」
みやび「え、泣いてる・・・?!どないしたん?」
絶体絶命「・・・ごめん・・・秘密さんが 言ってた事が正解だった・・・」
秘密「・・・でしょうね。普通、目撃者より 正確なものはありませんし」
ギャグ「・・・マジか・・・」
絶体絶命「本当にごめん・・・あたしのせいで みんな騒がせて・・・」
みやび「ん、ん゙〜・・・」
みやび「なあ、そないな事言わんといて? うちが辛なるさかい・・・」
謎「そ、そうですよ・・・ね? もうとっくに謝ったはずですし」
絶体絶命「・・・っ」
みやび「もうええで。しゃあないけど、 また新しいのを大切にしたらええ」
絶体絶命「・・・分かった・・・ ちょっとあたし、部屋戻る・・・」
みやび「・・・問題は秘密さんやな」
秘密「・・・なぜ?」
みやび「あんた、口封じがどうこう言うとったやん」
秘密「・・・まあ、名前が「秘密」なので」
みやび「そないな問題とちがう!」
みやび「何で黙っとったって言いたいねん!」
秘密「・・・一応、絶体絶命さんが 花を踏んだのは見ました」
秘密「・・・とはいえ、私の名は「秘密」。 事件も犯人も「秘密」にしていました」
秘密「・・・と、これだけですが 後は何か言う事はありますか?」
謎「・・・事件の「謎」において、言った方が 早く解決に繋がるのなら、言って下さい」
謎「あなたも共に「謎」を解く人ですので」
みやび「解決してまた、「みやび」で穏やかな 日常に戻っていくんやで」
秘密「・・・あの」
みやび「ん、どないしたん?」
秘密「・・・ギャグさんは?」
謎「え、ギャグ・・・さん・・・?」
〇部屋のベッド
ギャグ「・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
謎「しまった・・・確か先程、 部屋に向かっていた気が・・・」
みやび「え?え?なんで?なんでなん?」
秘密「確かさっき、「二度寝したい」とか 言ってたはずでしたよ?覚えてます?」
みやび「あーもうギャグくんのアホ!!いけずー!!!」
イラストばかりが目立ちがちなTapNovelMakerにおいて影の功労者であるBGMをフィーチャーしたストーリーとは、斬新なアイデアですね。深刻な推理が展開される中、ギャグくんの出番は?とヤキモキしてたら最後の最後で間に合ってホッとしました。
普段は仲良くしていても、何か波風立った時の人間関係って途端に本心がむきだしになりますね。秘密さんはある意味良い行動をしたんではと思います。