第27話 ヒーローショーにはご用心!!③(脚本)
〇大きな公園のステージ
アップル「子を思う親の気持ちも分からず、思い込みだけで子供に悪の心を植え付けるなんて許せない」
アップル「このウェディングアップルが不滅の愛を教えてあげるわ!」
〇養護施設の庭
公園でバイクを走らせるクローバー。
その後部座席で、ダーブラックがクローバーを羽交い絞めにしている。
クローバー「化け物め! 二度と悪さが出来ないようにしてやる!」
クローバーはバイクをフルスロットルにして加速させる。
そのとき世界がモノクロームに変化した。
〇養護施設の庭
走っていたバイクも静止して、反動でダーブラックは振り落とされた。
ダーブラック「また止まった! くそー、愛天使め!!」
〇大きな公園のステージ
客席にいた大人たちも同様に、動きを止めた。
魔霊と化した子供たちは、静止した親に向かって攻撃を続ける。
ユン・キョウ「クーーー。こ、こんな事しても何も変わらないクケッ」
アップル「ブーケ・プルズ!」
アップルのリボンがユン・キョウのヌンチャクを絡めとる。
ユン・キョウ「クケッ!?」
驚いたユン・キョウの隙をつき、アップルはラブリィショットを構えた。
アップル「魔霊よ! 清らかな心にお戻りなさい!」
アップル「こっちを向いてはい、LOVEポーズ!」
ユン・キョウ「ケーーーッ! ダーブラック様~!」
アップル「次は子供たちを──」
ダーブラック「許さないぞ、ウェディングアップル!」
アップル「クローバー様は!?」
振り返ると、遠くにバイクに跨(またが)ったまま静止したクローバーの姿があった。
アップル「あれなら大丈夫ね」
ダーブラック「子供たち! ここにいる愛天使を殺すんだ!」
「大人なんて要らない! 大人なんて要らない!」
子供たちがアップルに飛び掛かり、彼女の両腕を拘束する。
アップル「しまった!」
アップル(魔霊に乗っ取られているとはいえこの子たちは子供・・・。反撃なんて)
ダーブラック「ハハハハハ。そろそろとどめかな」
ダーブラックは小槌を取り出して、アップルに向かって振りかぶった。
???「いい加減にしなさいっ!!」
チェリー「あんたのバカでっかい声、遠くまでよ~く聞こえてたわよ!」
アップル「チェリー!」
チェリー「アップル、遅れてごめん! ちょっとトイレが混んでて・・・てへっ」
ダーブラック「もう一人登場か」
ダーブラック「愛天使を二人もやっつければ、あいつらに馬鹿にされないだけじゃなく、兄さんにも褒められる!」
チェリー「やっつける?」
チェリー「大人は要らないなんて言ってるお子様に、このウェディングチェリーが負けるはずがない!!」
ダーブラック「皆してお子様お子様って馬鹿にしやがって。まずはお前からだ!」
ダーブラックが小槌を振り回してチェリーに迫る。
チェリー「なんなのこの馬鹿力、止めなさいってば」
瓦礫で逃げ場を失ったチェリーに、ダーブラックが小槌を振りかぶる。
アップル「チェリーーー!!!」
ダーブラック「口先だけのチビが! ボクに歯向かおうなんて10年早いんだよ!」
チェリー「私は知っているの! どれだけ大人が、親が、子供の事を大切に思っているか!」
???「嘘だ!」
霧乃明「大人たちは、僕たちの事なんか大事じゃないんだ」
霧乃明「いつもいつも仕事って! 大人なんて、ママなんて死んじゃえーーー!!!」
周囲に暴風が吹き荒れて、大きな瓦礫が宙を舞う。
落下してきた瓦礫を避けるために、ダーブラックは思わず飛びのいた。
ダーブラック「おわっ」
チェリー「今よ、アップル!」
アップル「思い出して、あなたたちはとても大切にされてる!」
〇ファンシーな部屋
霧乃あやめ「絵本はもうお終い。さあ寝ましょう」
霧乃明「もう1回。お願い~」
霧乃あやめ「ふふふ。これで3回目よ。 本当に次で最後だからね」
〇大きな公園のステージ
霧乃明「こ、こんなので騙されないぞ!」
アップル「あなたたちは愛されてるの!」
リン、リン、リン
〇ファンシーな部屋
霧乃あやめ「明、大好きよ」
霧乃明「どの位?」
霧乃あやめ「世界で一番好き」
〇大きな公園のステージ
霧乃明「ママ・・・。ママー!」
魔霊化した子供たちから、邪悪な妖気が放出される。
子供たちはそのまま気を失って、地面に倒れ込んだ。
アップル「明君、良かった」
ダーブラック「ぐおーーー!」
アップル「子供にとって親は大切な存在。それを奪おうなんて! 覚悟しなさい!」
ダーブラック「愛だの何だのって気持ち悪いんだよ!」
チェリー「図体がでかいだけで中身はただのガキね」
チェリー「フラワー・ブリザード!!」
ダーブラック「何ーーー」
ダーブラック「ひらひらひらひらと!!! 力技なら負けないのに!」
〇モヤモヤ
ホーディ「ヒーローごっこだって?」
ジュロー「花とリボンに負けた? 何と滑稽な」
〇大きな公園のステージ
ダーブラック「嫌だ! これ以上馬鹿にされるのは」
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