愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第20話 愛の花、悪の華!②(脚本)

愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

今すぐ読む

愛天使世紀 ウェディングアップル
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇植物園のドーム
  植物園の熱帯ドームには、派手な熱帯植物が咲き乱れている。

〇植物園の中
  椿がカイを待ちながら佇んでいると、風が吹いて花々が揺れた。
雪代椿「カイ!! ご無事でしたのね。 もう大丈夫なのですか?」
海老原カイ「何が? 僕は至って普通だよ」
  ドーム内には、椿とカイの他にも沢山の恋人たちが行き交っている。
女性「ここで写真撮影すると結婚出来るんですって」
男性「じゃあ、絶対撮らないと!」
海老原カイ「ねえ。彼ら、気持ち悪いと思わない?」
海老原カイ「花に結婚を託して。 汚らわしい、愛をはき違えている」
雪代椿「・・・カイ?」
海老原カイ「それに引き換え植物は美しい。 何も語らず、ただ静かに子孫を残していく」
海老原カイ「特にこの食虫植物たち。 とらえた獲物を溶かし養分を吸い取る」
海老原カイ「なんて美しい所作」
雪代椿「!? やっぱりまだ悪霊が取りついているのですね!」
海老原カイ「ふふふ、だから僕は普通だって。 これが僕。これが海老原カイ」
海老原カイ「君が夢を見てない」
雪代椿「違う、本当のあなたはこんな冷たくはありません!」
雪代椿「優しい言葉をかけてくださいました」
海老原カイ「しつこいな。僕はただ、僕に裏切られて流すキミの涙を楽しんでいただけさ」
雪代椿「そんな・・・」
海老原カイ「ここに居るカップルたちだって、いかにその絆が脆くて醜いか」
海老原カイ「見ててご覧、ほんのちょっとボタンを掛け違えるだけで」
雪代椿「ボタン・・・」
  椿はハンカチにくるんでいたカイのボタンを握りしめる。
  カイは黒い妖気を操って、人々や植物の上に降り注いだ。
  鮮やかで美しい花々が、次々と黒く禍々しい色に変貌していく。
女性「さっきから何他の女に色目使ってるのよ!」
男性「君だってそうだ。ずっと携帯をチェックして。浮気相手だろ!」
女性「だったらなんだって言うの!」
男性「黙れ!」
海老原カイ「お互いを罵り合い、悪意を増幅させていく。愛は憎しみの裏返しなんだよ」
  ドーム内にいたカップルたちから、黒い妖気が溢れ出す。
雪代椿「止めて! カイ、他の人を巻き込むのは止めて!」
雪代椿「悪霊に惑わされないで!」
海老原カイ「更にこれからもっと素敵な物が見られるよ」
海老原カイ「さあ悪の華を咲かせ、忌まわしき種を世界中にまき散らせ! 人々を悪意で満たせ!」
  カイがさらに妖気を放つと、食虫植物たちが肥大化していく。
  巨大な植物は人々に食らいつくと、禍々しい悪の華をいくつも咲かせた。
海老原カイ「美しい・・・」
海老原カイ「さて、そろそろ僕のボタンを返してもらおうか」
  怯えて後ずさる椿の胸倉を、カイが荒々しく掴んだ。
海老原カイ「ボタンはどこだ」
雪代椿「痛い、止めて!」
  突き飛ばされた椿の手から、ハンカチが落ちる。
  ハンカチにくるんであったボタンが、地面を転がった。
海老原カイ「フフフッ、これで完璧な姿に戻れる」
雪代椿「酷い・・・」
海老原カイ「酷い? 僕の美しさを乱した君の方がよっぽど酷い!」
海老原カイ「君には死を持って償って貰う!」
  カイが椿の首をきつく絞めあげる。
雪代椿「嫌っ!」
海老原カイ「花々に囲まれての死。愛を求める女にはふさわしい完璧な墓場だろ」
海老原カイ「僕に感謝するんだな」
  凶悪なオーラがカイを包むと、カイの姿が変貌していく。
雪代椿「カイ、駄目・・・悪に乗っ取られては・・・」
エビーダ「相変わらず美しい。 愛に裏切られた、絶望の涙」
エビーダ「もっと流せ。ハハハ!」

〇植物園のドーム
朝陽林檎「この辺りで植物園って言ったらここしかない・・・」
  林檎が広場に走ってくると、悲鳴をあげて逃げ惑う人々の姿が目に入った。
朝陽林檎「やっぱり、ここだったのね!」

〇水玉2
朝陽林檎「マニフェステイション・オブ・ラブリィ・エンジェル・アップル」

〇植物園の中
アップル「その手を離しなさい!」
エビーダ「また邪魔しに来たのか」
アップル「悪の匂いのする所、どこにだって駆け付けます。ウェディング・アップル参上!」
雪代椿「・・・ゴホッゴホッ。アップルさん!?」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第21話 愛の花、悪の華!③

成分キーワード

ページTOPへ