愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第16話 バンドマンにご注意!①(脚本)

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〇ライブハウスの控室
  バンドの演奏が鳴り響く、賑やかなライブ会場の楽屋。
  そこで悪神たちは、宙に投影されたホログラム映像を眺めていた。

〇結婚式場の前
アップル「今だ! ラブリィ・ショット!」
ヤンス「ぐわぁあぁあ~~!」

〇森の中
ダーブラック「どこだ~! ヤンス! ここ、どこなの~~!」
ダーブラック「兄さん、ボクは今、どこにいるんだぁ?」

〇ライブハウスの控室
ホーディ「クックック」
???「無様だな・・・」
  バン!
  乱暴に扉を開けて、ダーブラックが楽屋に入ってきた。
ホーディ「荒れてんな~。 まぁ、あの負け方じゃ仕方ないか」
ジュロー「愛するお兄様に慰めてもらったらどうだい?」
ダーブラック「くっ・・・!」
ジュロー「あれだけ大口を叩いて、あのザマとはねぇ?」
ジュロー「・・・まあ、大口を叩くだけなのはホーディも同じか」
ホーディ「あ? なんで今、俺の話になんだよ?」
ビーモン「何を騒いでいる」
???「いつもの、犬も食わない喧嘩だよ」
???「それよりも我らが女王様のご機嫌はどうだった? 報告に行ったんだろ?」
ビーモン「女王様などと・・・ベーザイ様をそのように呼ぶな。エビーダ!」
  睨みを効かせるビーモンに、エビーダと呼ばれた男は涼しい笑みを返す。
エビーダ「ねえリーダー、今度は僕が出てもいいかな?」
ビーモン「・・・お前が?」
エビーダ「アップルにチェリー・・・。 僕が軽く、釣って来るよ」

〇黒
  エビーダは楽屋を出ると、個室にある大きな姿見の前に立つ。
  服のボタンを締め終えると、うっとりと自身の姿を眺めた。
エビーダ「美しい。究極・・・完璧の美だ」

〇川に架かる橋
朝陽林檎「今日はいいお天気で、気持ちがいいねえ~」
バビルン「けっ、だからなんだっていうんだよ」
朝陽林檎「もう、外に出たいって言ったの、バビルンでしょ?」
  ブオオォォォン!
朝陽林檎「!」
  林檎の隣の車道を、優斗のバイクが走り抜けていった。
  それを見て、林檎はふと先日の出来事を思い出す。
朝陽林檎「あはは・・・そんなわけないよね」
  その一瞬の隙に、バビルンが林檎の腕から飛び出した。
朝陽林檎「あっ! バビルン、どこ行くの!?」

〇通学路
バビルン「へっへ~ん! これで自由の身だ!」
バビルン「今日こそ、愛天使の正体を突きとめてやる!」

〇川に架かる橋
苗場桜「ここで見たのが最後?」
朝陽林檎「うん。急に腕から飛び出ちゃって・・・」
朝陽林檎「バビルン、どこまで行っちゃったのかな」
苗場桜「・・・ちゃったのかな?」
苗場桜「林檎って、やっぱりどっかのんびりしてるよね」
朝陽林檎「え? そうかな?」
苗場桜「車にひかれちゃってるかもとか、そういう危機感はないわけ?」
朝陽林檎「い、嫌なこと言わないでよ~! 早く探そう!」
雪代椿「あら、林檎さんに桜さん」
朝陽林檎「椿さん! あ・・・デート?」
男性「こんにちは」
雪代椿「えぇ、彼、銀行員なの。素敵でしょう?」
雪代椿「林檎さんはどうしたんですか?」
苗場桜「うっ、この人苦手・・・」
  桜は椿の視線から逃げるように、林檎の背中に隠れた。
朝陽林檎「椿さん、この辺でウサギを見なかった? 耳がぺろーんと垂れてて・・・」
雪代椿「見ませんでしたけど・・・」
男性「俺たちも一緒に探そうか」
朝陽林檎「あ、いいんです! 椿さんたちはデートでしょ?」
苗場桜「さっさと、あっち行っちゃえ」
朝陽林檎「桜ちゃん!」
雪代椿「そうですか? 心配ですけど・・・」
朝陽林檎「大丈夫、大丈夫! 迷子なんてよくあることだから!」
苗場桜「それは林檎でしょ」
朝陽林檎「桜ちゃんは黙ってて」

〇川に架かる橋
朝陽林檎「いいなあ、デート・・・」
苗場桜「信じらんない。さっきの相手、この前見た人と全然違う人だし」
朝陽林檎「椿さんって、モテるんだね」
苗場桜「ああいうのは、モテるって言わないって」
朝陽林檎「もう、ああ言えばこう言う・・・」
苗場桜「ほら、早くバビルン探すよ!」

〇林道
バビルン「う~ん、ここにもいないか」
  バビルンは器用に枝から枝へと飛び跳ねて、木々の間を渡った。
バビルン「どこだ~愛天使~!」
バビルン「・・・わっ!」
  突然飛んできた釣り針が、バビルンを引っかけて地面に落とした。
バビルン「いってぇ! なんなんだよ、も~!」
エビーダ「相変わらず醜い姿だな。 そろそろ、愛天使たちの見当はついた?」
バビルン「でえ! エビーダ・・・! いや、それが、その・・・」
  釣り糸で宙に釣られたバビルンを、エビーダがグルグルと振り回す。
バビルン「うわ! やめろ! 目が回る……っ」
エビーダ「主人のブクロク同様、君も使えないんだな」
エビーダ「・・・はあ。最初から、あんまり期待はしてなかったけど」
  エビーダはバビルンを放り投げると、地面に激しく叩きつけた。
バビルン「うえっ」
バビルン「くっそ~覚えてろよ!」

〇木の上
エビーダ「さて、どうやって愛天使を釣るか・・・」
  エビーダが呟いたとき、木々の下を行く人影に気づいた。
エビーダ「!」

〇公園のベンチ
雪代椿「わたくし、本当の愛を見つけました」
男性「本当の愛か・・・椿ちゃんとこれから探すのも悪くないな」
雪代椿「え・・・?」
男性「え・・・?」
雪代椿「これから探すのですか? 本当の愛はここにあるのに?」
男性「ここにあるって・・・俺たち、昨日バーで出会ったばかりだろ?」

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コメント

  • カオスな回だ

  • 綺麗な花には毒がある…

    翼さんの前に現れた海老原カイの意図は一体…⁇


    そしてバビルンは、名誉挽回できるのか…⁇できるのか…⁇(此処大事なところ)

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