憧れの生活

もち雪

エピソード1(脚本)

憧れの生活

もち雪

今すぐ読む

憧れの生活
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇睡蓮の花園
  森の湖の片隅で僕は立っている
ルク「幽霊ですよ!」
  その声はすぐに湖に棲むカエルの声にかき消された・・・
ルク「蓮の花が咲いた湖は月明かりにてらされて・・・凄く幻想的で」
ルク「カエルの声は湖を神秘的に演出する」
ルク「そしてその傍らに立つ幽霊の僕・・・」
ルク「これは絶対にばえる!」
ルク「ばえるのに・・・」
ルク「何故、誰も来てくれないんだ・・・」
ルク「キャンプブームはどこへ行ったんだ!?」
ルク「あぁ・・・僕は幽霊になっても普通の幽霊にはなれないのか・・・」
ルク「・・・」
  ー  追憶  ー

〇田舎の病院の病室
ルク「・・・」
ルクの母「おはようルク 今日の調子どう?」
ルク「おはようお母さん 今日の調子はまあまあかな?」
ルク「今日は明美は学校なんだね」
ルクの母「今日はルクも病院で授業を受けるんでしょ? 頑張らないとね」
ルク「うんそうだね」
ルク「・・・」
ルク「お母さん僕は・・・」
ルク(いつ学校に行けるの?・・・)
  その言葉を飲みこみ、お母さんを見ると・・・
  いつも少し悲しげな目で僕を見つめるお母さんと目が合う
ルクの母「大丈夫!大丈夫よ」
  そう言っていつも僕を優しく抱きしめてくれていたお母さん
ルク「・・・」

〇睡蓮の花園
ルク「・・・」
ルク「まぁ結局 僕は死んじゃったんだけどね・・・」
ルク(普通の子供ってものに憧れても出来なかったから・・・普通の幽霊を目指したのに・・・)
ルク「案外、普通はいろいろハードル高いなぁ〜」
ルク「草をかき分ける音?もしかして誰かの足音!?」
ルク「大事件の予感!?」
  僕は足音のする方に走って向かった!

〇森の中
  僕は移動した先に、たぶん女子高生を見つけた。
  彼女は夏なのに冬服を着ていて・・・もしかして幽霊仲間と言うやつかもしれない
殺し屋A「何をじっーとこっちを見ているんだ?」
ルク「やっばり幽霊!? もしかして霊感持ち女子高生!?」
ロボ「ヨシ!埋めよう!」
  後ろの声をする方を振り返ると狼の様な犬がいた。
殺し屋A「埋めないで」
殺し屋A「ロボは何でも埋めよとする」
  ロボと言われた犬は僕の後ろに隠れた。
ルク「お姉さん達は誰? 幽霊!霊能者?」
殺し屋A「私は殺し屋A、あっちは相棒のロボよ」
ロボ「また適当な事を言う」
  ロボは以前として僕の後ろに隠れているが、抗議だけ言う事にしている様だ。
ルク「で、殺し屋Aさんはここに何しに来たの?」
殺し屋A「貴方を迎えに来たのよ」
ルク「僕を迎えに!?」
ルク「迎えに来るのも殺し屋の仕事なの?」
殺し屋A「そうよ」
ルク「なるほど・・・ 普通の殺し屋も奥が深いんだね・・・」
殺し屋A「ついて来て!」

〇大学病院
  何処をどう歩いたかは知らないが、僕らは僕の入院していた病院の前に居て
殺し屋A「ロボはここに居て」
ロボ「たまに見える人がいるからしょうがないね ここはそう言う場所だしね」
ルク「行くの?」
殺し屋A「怖いの?」
ルク「少し哀しいかも?」
殺し屋A「じゃ〜哀しいって言えば?」
  誰に?っと言った所で意識が途切れた・・・

〇手術室
  僕を呼ぶ声がする
看護師「ルク君、起きてください」
ルク「おはようございます」
看護師「おはようございます ってまだ夜だけどね」
看護師「手術は無事に終わったからねー、ちゃんとルク君も起きた様だしお母さん呼んで来るね」
看護師「すぐお母さん来るから待っててね」
ルク「はいー」
ルクの母「ルク!良かったねー頑張ったねー」
ルク「・・・」
  僕はお母さんの顔を見つめる
ルクの母「どうしたのルク」
ルク「お母さんの泣いてる顔、久しぶりだったから・・・」
ルクの母「あっあ哀しいんじゃないのよ!嬉しいからつい」
  お母さんがまた一つ涙を流す・・・
  お母さんを見ているとあの楽しかった幽霊生活より今の方が嬉しいと・・・
  そう思える
ルク「お母さん・・・ 本当は僕は会いたかった」
ルク「だから・・・また会えて良かった」
  お母さんはそのまま涙が止まらなくなった様で病室で待っていた、お父さんと明美を大変戸惑わせていた。

〇繁華な通り
  あれからしばらくして殺し屋Aとその相棒ロボが僕の前を通り過ぎた。
ロボ「・・・」
ロボ「・・・」
  ロボは、立ち止まり僕を見ていたが『ふっ』と言うかの様に僕に笑いかけた後・・・殺し屋Aの後を追いかけて行ってしまった。
  僕は今では普通の暮らしがだいたい出来る様になってきた。
  それを見届ける様に二人とまたであって別れた・・・
ルク(よくわからないけど・・・ これは普通以上の事なんだろう・・・)
ルク「うん!最期のばえだ!」
  そう言って少年は去っていく・・・
ロボ「ルクとちゃんとお別れすればいいのに・・・ 殺し屋Aは本当に天邪鬼だよね」
殺し屋A「お別れはあの時したからいいんだよ・・・」
殺し屋A「行こう! 次の殺しが待ってるよ!」
ロボ「もうそのキャラ辞めてよ!!」
  そして私達は次の仕事に向かうのであった
「終わり」

成分キーワード

ページTOPへ