事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

4月30日 火事 #シナリオ(脚本)

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〇マンションの共用廊下
  扉を開けた先は、赤と黒が舞い踊っていた
  赤い炎は低く速く、瞬く間に足元を駆け抜け埋め尽くす。立ちのぼる黒い煙は視界と空気を次々奪っていった
  炎の先では叫喚の声が響き、ぱちぱちと爆ぜる音が白けた拍手のように鳴る
  火事だ──
  扉の向こうから襲い来る激しい熱気が肌を刺し、部屋へなだれ込む煙で息が出来ない
  熱と煙に堪らず、ベランダへと逃げる

〇団地のベランダ
  満点の星々の輝きを、舞い上がる煙が汚してゆく。空気を求めて顔を降ろせば、遥か下に無数の人だかりがこちらを見ていた
  ここから彼らの表情が見えるわけない。けれど、私には、それが酷く楽しそうに思われた

〇図書館
普通科の女生徒「マンションの火事の死傷者は0。火事での死者はね」
妹「その言い方、含みがあるね」
普通科の女生徒「火事の被害者に、ある女優さんがいたの」
普通科の女生徒「その人は誰もが振り返るほどの美人だったけど、火事で顔に酷い火傷を負ってね、一転して醜い姿になってしまったわ」
普通科の女生徒「それでも彼女は演技力と美貌、両方兼ね備えた人だったから、まだ自分には価値があると信じていた」
普通科の女生徒「けど、醜い容姿を理由に仕事はどんどん減った。今までの嫉妬もあって、誰も彼女を助けようとしない」
普通科の女生徒「彼女は失意の果てに、マンションのエレベーターの中へと身を投げてしまった」
普通科の女生徒「それは丁度、火事から一年後だったわ」
普通科の女生徒「まあ、ただの噂だけどね。なにしろ火事は五年前、飛び降りは四年前だもん」
妹「古すぎて正確な情報はわからないか」
普通科の女生徒「他にも女優の自殺を皮切りに、何人もファンがエレベーターの中へ飛び込んだっていうけど、ニュースに残ってないし、ただの噂だよ」
妹「でも、その頃からあのマンションで不審死が起き始めてるんだよね」
  兄から貰った事故物件の死亡者リストを確認すると、最初に死者が出たのもやはり四年前でした
妹「火事で被害があった部屋の住人が次々死亡。最短即日、遅くとも一週間以内」
普通科の女生徒「通販並の対応速度だね」
妹「なんでわざわざこんなとこに住むかな。まさか、これもお化けが呼んでいるんじゃ」
梓「単に破格の条件だからだよ」
妹「そうなの?」
梓「あの部屋の家賃は本来、うちの三倍以上するらしい」
妹「梓は隣のマンションなのに?!」
梓「六階と七階は広さも間取りも設備も、格が違うんだ。あそこに住めたら、セレブの仲間入りとかいわれるくらい」
妹「そんな凄かったんだ」
梓「それが事故物件で安いんだ、手を出す人は出てくる。それで死んだら、また価格が下がる」
妹「その繰り返しで今に至るわけか」
普通科の女生徒「最初の頃は、あの女優さんの知名度も手伝ってたみたいだよ。彼女が住んでた部屋だって」
妹「女優さん知ってるの?」
普通科の女生徒「あ、うん。火事は本当にあったことだから、記事が残ってるよ。ほら」
  差し出されたスマホに映っていた人物は、私の知る人物でした
妹「この人!」

〇中規模マンション
  それは、動くはずのないエレベーターで会ったお姉さんでした

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