事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

4月24日 訪問販売(脚本)

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〇中規模マンション

〇マンションの共用廊下
  夕方、スーパーで夕飯の買い出しをしてから家に帰ると、玄関の扉が開いていました
  兄と誰かの話し声が聞こえるので、開けっ放しと言うわけではなさそうです

〇玄関内
妹「ただいまー」
訪問販売員「おや、お嬢さんでゲスか?」
( ´∀`)「妹だ! 俺を何歳だと思ってるんだよ」
訪問販売員「こりゃまた失礼。女を見たら、お嬢さんと呼んでご機嫌をとるのが、手前らのやり口なもので」
( ´∀`)「本人の前で手口ばらすなよ」
妹「お客さん?」
( ´∀`)「悪質な訪問販売だよ」
訪問販売員「へへっ、こりゃどうも。これでも通信販売よりは良質なつもりでゲス」
( ´∀`)「衝撃に弱い灰皿だの、折れやすい包丁だの、壊れ物注意ばかりじゃねえか。こちとら硝子の少年時代は卒業してんだよ」
訪問販売員「いやいや、灰皿で殴られても、包丁で刺されても死なないように設計されたものでして」
妹「うちはそんなサスペンス劇場な家庭じゃないんで。ホラー側の事故物件なんで」
訪問販売員「ホラーでゲスか?」
  訪問販売員の目が、いやらしい光を見せます
訪問販売員「それならそうと言ってくれれば、取っておきがあったのに」
  そう言って、カバンの中から、筆箱くらいの大きさの、白く光沢のある布に包まれたものを取り出しました
  販売員がおもむろに布をめくると、中から黒い泥の棒がでてきました
( ´∀`)「うんこじゃねぇか!」
訪問販売員「違うゲスよ?! これは霊験あらたかな土地で、何十年と清められた土ゲス!」
( ´∀`)「なんだ、泥でつくったうんこか」
訪問販売員「だから、うんこじゃないでゲス! これを家に置けば、あらゆる穢れが祓われ、悪霊退散、運気上昇、家内安全、交通安全でゲスよ」
( ´∀`)「じゃあ、自分の家に置いとけばいいだろ。これでお前も怪しい訪問販売から足を洗えるぞ。良かったな」
訪問販売員「そうしたいのはやまやまでゲスが、あっしには持てない理由があるんで」
( ´∀`)「俺もうんこは持ち歩けない理由があるんだ。だから帰れ」
訪問販売員「いやいや、この家にこそ、このうんこは相応しいでゲス」
( ´∀`)「だから、そんなうんこいらんっての」
妹(玄関でうんこ連呼されたくないんだけど)
訪問販売員「まったく、失礼なお人でゲスな。人の親切踏みにじるような人はどうなっても知らないでゲス」
  そう吐き捨てて、販売員は荷物をまとめて出て行ってしまいました
妹「憐れな」
妹「今、エレベーターの音しなかった?」
( ´∀`)「そうか?」

〇マンションの共用廊下
  まさかと思いつつ、すぐ外に出てエレベーターを見れば、販売員が乗り込むのが見えました
妹「ダメ!」
  声を張り上げますが、もう手遅れでした。販売員を乗せたエレベーターは下へ向かっていました
  エレベーターが一階につくのを確認してから、エントランスを眺めますが、誰も出てきません
妹「・・・また犠牲者がでてしまったの?」

〇中規模マンション
  後日、私は訪問販売員について、聞いて回りました。が、返ってきた答えは、誰もがそんな人物は見ていないでした
  あれは本当に訪問販売員だったのでしょうか? もし違うなら──
  あの泥を受け取っていたら、私達はどうなっていたのでしょうか?

次のエピソード:4月25日 換気扇

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