余命半年らしいので、残りの人生好きにやらせてもらいます!

めぐる

人生なんとかなるもんです!(脚本)

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〇バスの中
みより(そっか、私、34歳を迎えられたんだなぁ)
みより「・・・っつ・・・」
みより(急にめまいが・・・ やっぱり、もうダメなのかな)

〇空き地
みより「えっ!?あ、あれ? 病院は・・・」
  ●◆クリニック院長、医師免許偽造容疑で逮捕!
みより「はあぁぁっ!?」
  細川紀夫被告(58)は、医師を装い無資格で医療行為を行ったとして、警視庁に逮捕された。
  被告は「医者に憧れていた。多くの人を助けたかった。医学部には6回落ちたが、諦められなかった」などと供述している。
みより「いやいやいや! ちょっと!!私どうしたら良いのよ〜!!」

〇総合病院
みより「とりあえず大きな病院だし、ここなら大丈夫だろう」

〇総合病院
医者「板垣みよりさん。 ・・・なるほど、●◆クリニックに通っていたと」
医者「またかぁ。最近多いんだよねー、そういう患者さん」
みより「はい。 それで、××症っていう難病で、治療する術がないって」
医者「それでは、検査してみましょうかね」

〇総合病院
医者「板垣みよりさん、先日の検査結果ですが・・・」
みより「はい・・・」
医者「特に、異常は認められませんね。 健康体ですよ!」
みより「うそ〜〜〜!!!」
みより「でも、あの時確かにすごい頭痛と腹痛で倒れて、動けなくて・・・!!」
医者「私が診察していないので、確かなことは言えませんが、おそらく強いストレスが原因かと」
みより「でも、色々調べたら××症っぽい症状もあったんですよ。 体重も増えたし」
医者「症状は似ていますが、××症だとこの数値が300以上になります。 板垣さんは58で正常範囲内なので、××症ではないですね」
医者「それに、今は特になんの症状もないんですよね?」
みより「じゃあ、余命半年っていうのも・・・」
医者「いたって健康体ですので、大丈夫ですよ! 心配せず、普段通りお過ごしください」
みより「・・・よ、良かった 良かったあぁぁ!!」
みより「私、本当に死んじゃうと思ってて・・・ まだ生きたいって、ずっと思ってて・・・」
看護婦(良かった 本当に良かった)
みより「っておおぉぉぉい!!!」
「えっ!?!?」
みより「私、余命半年だって聞いてたから、仕事も辞めちゃったし彼氏とも別れたし貯金もほとんど使っちゃったんですけどー!!」
医者「い、いや、それは、私に言われましても・・・」
みより「あーマジで、あの詐欺医者絶対訴えてやる!」
みより「って言っても、弁護士に相談するお金すらないー!! 東京で働こうにも住むところもないー! どうしたら良いの!?」
医者「板垣さん、一旦落ち着いて」
みより「この状態で落ち着いていられるかー!!!」

〇バスの中
みより(はぁ・・・ とりあえず、帰りの交通費は残ってた)
みより(ってか私、これからどうすんの? 34歳無職貯金なし家なし彼氏なし)
みより「人生・・・詰んでる・・・・・・」

〇古風な和室(小物無し)
みより「ただいまー」
妹「おかえりー!お姉、遅かったね」
母親「まったく、急に一週間東京にいるなんて、ほんと自由人なんだから」
みより「ごめん!どうしても外せない用事で!!」
みより(あっ!しまった!! 遺書!!)

〇狭い畳部屋
みより「中身は見られてないみたい」
みより「これももう、必要ないね」

〇ダイニング
妹「お姉、ハッピーバースデー!!」
母親「お誕生日おめでとう」
みより「ありがとー」
妹「もー、もっと喜んでよー! このケーキ買うんだって、車で往復1時間だからね。東京とは違うんだよ!」
みより「ご、ごめん 嬉しいよ!すっごく!!」
みより(せっかくの誕生日より、心配事の方が多くてケーキの味もよくわからないわ)
妹「そういえばお姉、いつまでこっちにいられるの?新しい仕事は何するの?」
みより「えっ!?あーっと・・・それは・・・」
みより(東京戻ろうにも、住むところもないし、お金もないし、どうしたら・・・)
みより「・・・ごめんなさい!!!」
「えっ!?」
みより「次の仕事決まってるっていうのは嘘で・・・ 実はちょっとした詐欺にあって貯金もなくて、これからどうしようって感じなの」
「はあっ!?」
みより「・・・ほんと、ダメなやつでごめんなさい」
母親「じゃあ、しばらくここに居ればいいじゃない」
みより「えっ!?」
母親「昔から頑張り屋だったみよりが、急に仕事辞めて戻ってくるんだもの。 相当キツかったんでしょう?」
母親「少し、ゆっくり休んだら?」
みより「お母さん・・・」
妹「そーだよ! ってかさー、詐欺って何!? お姉、お金騙し取られたってこと?」
みより「まー、騙されたというか・・・ 私の勘違い的なところもあったから、なんとも言えないんだけど」
妹「それってどうにかならないの!? 街の方まで行けば法律事務所とかあるし、アタシ車出すよ?」
みより「なつみ・・・」

〇狭い畳部屋
みより「とりあえずしばらく実家に居て良いことになったけど、これからどうするかなぁ」
みより「この辺でバイトしながら就職先探すか。 お金貯めないと、面接にも行けないしなぁ」
みより「けどこの辺、ほんと何もないのよね。 コンビニで徒歩20分、街まで出るのに車で30分。しかも私免許も持ってない・・・」
みより「マジで詰んでない!?どーすんのよ!!」
みより「なんかだいぶ放置してたけど、いろんな通知来てるなぁ〜」
みより「Facebookのmessengerも来てる。誰だろ?」
  観月琴羽:LINE既読にならないので、こっちから連絡しました!みより大丈夫?何かあった?
みより「あーっ!そうだ、あの日以来、琴羽のLINEブロックしたままだった!」
  観月琴羽:みより、大丈夫かな?気付いたら連絡ください。
  観月琴羽:インスタも更新ないし、何かあったのではと心配しています。
  私が悪いところあったなら本当に謝りたいです!!
  観月琴羽:みより、何か事件とかに巻き込まれたりしてないよね!?
  情報なくて不安です。
  観月琴羽:私が気を悪くさせちゃってたら本当にごめんなさい。
  無事でいてくれることを願ってます。それだけでも連絡ください。
みより「どれだけ送ってきてるの!!」
みより「・・・・・・」
  琴羽、連絡遅くなってごめんね。
  携帯をなくしてしまって、ようやくLINEの復旧ができました。
  Facebookの方にもたくさんメッセージもらってたのに、見てなくてごめん。
みより(さすがにブロックしてたとは言いづらい)
みより「よし、送信」
みより「えっ?琴羽!?」
みより「もしもし」
琴羽「みより!!良かったぁぁ〜〜連絡ついて!」
みより「ご、ごめん!!」
琴羽「ほんと、みよりに何かあったんじゃないかって、不安で不安で」
みより「うん・・・ごめんね。ありがとう」
みより「今実家帰ってるんだけど、また東京戻ったらご飯行こうよ!」
琴羽「うん!行きたいー♡」
みより「その時は、私の行きつけのお店行かない? 日本酒と海鮮が美味しい居酒屋なんだけど」
琴羽「えっ!?」
みより「・・・あ、琴羽はあんまり好みじゃないかな、そういうところ」
琴羽「嬉しい!みよりが行きたいお店言ってくれるの!!」
みより「えっ?」
琴羽「正直、お店探すのもそろそろネタ尽きてきたなーみたいな時もあったし!」
琴羽「日本酒はあんまり飲んだことないけど、みよりのおすすめ飲んでみたい♪」
みより「琴羽・・・」

〇狭い畳部屋
みより「わっ、また電話! ・・・え、宮下さん??」
みより「もしもしー」
同僚「あ、板垣さん?久しぶり〜 ごめんね、夜分遅くに」
みより「ううん、大丈夫だよー!元気?」
同僚「うん、相変わらず〜! 板垣さんはどう?退職して、今新しい仕事してるの?」
みより「あー・・・実は、しばらく休んでて! ちょうどこれから転職サイト登録しようと思ってたところ!」
同僚「え!?そうなんだ、ちょうど良かった!」
みより「何かあった?」
同僚「実は友人の会社で正社員で働ける人探してるの。ちょうど板垣さんが前関わってたプロジェクトと同じ業界で、即戦力になると思う!」
みより「えーっ!!」
同僚「ウチみたいにガッツリ稼げるわけじゃないけど、基本リモートだし、時間も融通きくから、のんびり働けるんじゃないかな」
みより「ほんとっ!? ぜひ、紹介してほしいー!!」

〇狭い畳部屋
みより「んーっ!なんか希望が見えてきたぞ!」
みより「結構めちゃくちゃなことしたけど、案外人生なんとかなるもんだなぁ。 知らない世界もたくさん見れたし」
みより「・・・あっ!! そういえば、マサキ!」

〇黒背景
マサキ「嫌だよそんな、だって俺みよりのこと・・・」

〇狭い畳部屋
みより「もう一度、やり直せるかな」
みより「・・・・・・」
みより「いや、それはない!!」
みより「そうだ、アイツは口だけの浮気ヤローだった!」
みより「人間、大事なのは行動!! 行動を見れば人間性がわかる!」
みより「そうだ、マッチングアプリでも始めちゃおうかな〜♪」

〇古風な和室(小物無し)
  みよりー!いつまで寝てるの!?
  ご飯できてるわよー!
  お姉!ニートならショップの問い合わせメール返すの手伝ってよー!!
  あーもう!わかったってばー!!

コメント

  • 最後はどうなるのかと思ってましたが、ハッピーエンドでよかったです。
    実際問題、異常がないって言われたときはそれはそれで大変だったと思いますが…
    重いテーマでしたが、主人公の性格もあり(?)あまり暗くならず、明るい雰囲気で進む(でも真剣に考えさせられる)素適なお話でした。

  • 持つべきものは親と友人ですね!!
    本当に難病か、違うとしたらどうするのかと思ってましたが…成程その手がありましたか! 秀逸でした😃
    ただ彼女は、常に不満か心配事がある人なんですね。生きられるというだけで大喜びするよりも、無職や彼氏がいないことを気にするなんて…世間に囚われすぎ。でも皆そうなんでしょうね、改めて気づかされました!! 健康第一ですね😋

  • 完結おめでとうございます!
    主人公の病の正体はストレスによるものだったとは。
    デタラメな余命宣告をしたヤブ医者絶許。

    何はともあれ、家族や友人の縁があれば生きていけるという事が分かりました。
    お疲れ様でした!

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