復讐者

夏目心 KOKORONATSUME

7 復讐を遂げて(脚本)

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〇シックなバー
  父の会社を出てから暫く、俺は色んな人から請けられる依頼を片っ端から請けて、色々なターゲットを仕留めて、
  その上で金を得る生活に浸っていた。今となっては、俺はもう一人前の殺し屋と見られても不思議では無い。
マスター「お客様、ご注文の品、お持ちしました・・・」
滝本誠二「ありがとうございます・・・」
マスター「しかしまぁ、あんたも変わってるな・・・もう20歳になって飲めるってのに、あんたがここに来て酒を飲んだ所」
マスター「まだ一度も見た事無いな・・・」
滝本誠二「単純にミルクが好きなだけです・・・後でおかわり下さい・・・」
マスター「畏まりました・・・ではごゆっくり・・・」
滝本誠二「生活は安定こそしてるが・・・俺はこのままで良いのかな・・・」
北山彰「あれ?誠二じゃねぇか?この店知ってたんだな・・・」
滝本誠二「あれ?北山さん!?こんな所で奇遇ですね!」
北山彰「あぁ、漸く仕事が一段落してな・・・久々に飲もうと思って来たんだ・・・なぁ、隣良いか?」
滝本誠二「あ、勿論良いですよ!」
  ここに来て、嘗ての恩師で在る北山さんとバッタリ出くわした。久々に会えて俺も嬉しくなり、北山さんは酒を注文して
  俺の隣に座るのだった。
北山彰「誠二、例の会社に就職してからどうだった?」
滝本誠二「あ、そうですね・・・情報を集めて父と弟の龍二の事調べて、父と母の暗殺は無事成功しました・・・」
北山彰「マジか!やり遂げたんだな!んで、弟君はどうしたんだ?」
滝本誠二「その事ですが、あいつらの持ってたロボットにはウイルスを巻いて置いて、肝心の龍二はそのまま手を出さない事にしました・・・」
滝本誠二「後ろ盾の無いあいつはそのまま放って置いても勝手に自滅すると思うので・・・」
北山彰「成る程な・・・これだけ聞くと、お前も随分腕を上げたな・・・んで、会社は辞めたのか?弟君はその後どうよ?」
滝本誠二「まぁ、会社は辞めました・・・もういる意味無くなったので・・・龍二の様子はこまめに見てたんですが、あの会社の時期社長に」
滝本誠二「龍二は選ばれる事はありませんでした・・・甘やかされてたってのもあって、周囲とは上手く行かずに自然な流れで退職して、」
滝本誠二「両親の遺産でニート生活を堪能してました・・・」
北山彰「成る程な・・・親に甘やかされるってのも聞こえの良い話では無いな・・・」
滝本誠二「そうですよね・・・只・・・」
北山彰「只、どうしたんだ?」
滝本誠二「復讐を遂げたってのは良かったんですが、最近思うんです・・・俺、本当にこれで良かったのかなって・・・」
滝本誠二「仮でも自分の本当の家族だし、こんな事しなくてももっと良い方法あったんじゃ無いかって・・・」
北山彰「そうかそうか・・・やっぱそう感じるか・・・」
滝本誠二「え?もしかして北山さんも?」

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